「Lock Open!」風林火山スタン・極(きわみ) 〜大大大大大将軍〜
とぅふ(@TofuHeatranVGC)です。
ゴートゥさん(@GotoTapuFiniVGC)が愛知で行われたPJCSライブ大会に出場されました。
今回は風林火山スタンの総括として、自分たちが構築を組み始めてからの全てをお話しします。
目次
○構築経緯
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シーズン12「コータス弱くね?」
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シーズン13「バナポリからバナクレセへ」
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トリックルーム脱却「オーロンゲとの出逢い」
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シーズン14開幕「バンギラス解雇〜レヒレ合流」
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PJCS予選終了「ウーラオス兄弟迷走期」
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PJCS本戦「復活のF」
○構築内容
○差別化について
○最後に
〜構築経緯〜
*シーズン12「コータス弱くね?」*
今は昔、準伝が合流して最初のシーズンにてバナコーポリ2という並びが大流行しました。自分も暫く使用した際に思ったことを纏めると、
でした。
理由に関して、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
https://tofunodojyo.hatenablog.com/entry/2020/12/29/124824
後に再度やなぎさんの記事を拝見しましたが、コータスの役割を考えた時にヒードラン(ガオガエン)に行きつかないのは正直意味不明でした。経由してコータスに至ったのであれば単に価値観の違いですが。
この際、フシギバナの単体性能を活かすべくフシギバナスタンの原型を雑に考えますが、別構築のハッサムの考察に時間を取られ一旦没案となります。
*シーズン13「バナポリからバナクレセへ」*
迎えたシーズン13にて、ガブリアスとじーんパの勉強を進めている際、バナコーポリ2を回していたゴートゥという男から「コータスが弱いから強いやつにしたい」との相談を受けます。
彼も自分も特に作ろうとしていた構築がなく、お互いに2021から逃げて2018、2015を触りかけていたのでバナポリ2をベースに構築を組み始めることになりました。
フシギバナとの攻撃補完と重たいランドロスへの打点として、ポリゴン2にれいとうビームが必須クラスという共通認識のもと、朝方3時ごろに欲しいポケモンを詰め込んだハッピーセットを作りました。フシギバナスタン第一形態です。
当時サンダー、ファイヤー、アタッカーレイスポスに環境の対応が追いついておらず、彼らが強い環境というのもあり、タスキエッジバンギラスを採用していたのは非常に懐かしいです。
しかし、徐々に研究が進んだ水ウーラオスへの対応が怪しく、また高速展開をできるポケモンがランドロスしかおらず、またもやガチトリル構築の道を歩み始めていたので、ゴートゥさんがてるチャレ7に出場する前にポリゴン2→こごえるかぜ 、てだすけを所持したナモのみクレセリアに変更し、当時1番役割が薄く感じられたカプ・レヒレ→おくびょう玉サンダーに変更しててるチャレ7を迎えました。
結果はtopcutにあと1勝足りずに敗退。
しかし、アカザさんがこの際準優勝した構築は構築の思想がかなり近いところにいると考えていたので、2人揃って少し自信に繋がりました。
ちなみにこの時、サンダーの枠でガラルファイヤーとジャポトゲキッスに手を出して大火傷をした人間がいたとかいないとか…
*トリックルーム脱却「オーロンゲとの出逢い」*
ここまでの考察を振り返って特に気になっていた点は、
「トリックルームパーツを選出した際の選出が弱すぎる」
という点です。
具体的には、エルテラやセキタンザンといった特定のコンボを成立させる構築、レイスorドラパ+ウーラ等のビートダウンに対しての返しを目的にトリックルームを選出するにも関わらず、トリックルームパーツが相手にかける圧力が皆無なため、ほとんど4vs3でゲームがスタートしてしまうということです。
余談ですが、この頃は
「レイスポスにポリ2が強い!」
「トラアタポリ2最強!」
という謎の迷信が存在していた時期です。懐かしいですね。
ここで、構築の並びが以前拝借したじーんパと酷似していることに気づいたため、お香トリックオーロンゲに関して理解を深めてみることにしました。
結論としては、トリックオーロンゲは対面強化パーツとして非常に優れているということです。
お香トリック自体が特定のギミック構築、おいかぜ構築、トリックルーム構築に対して種族値での殴りあいを要求できるので、高火力、高耐久、中速の高種族値グッドスタッフにおいてその真価を発揮します。
結果的にシーズン13自体は特に結果なしで終了しましたが、特に構築に限界を感じていなかったので引き続き煮詰めることになりました。
*シーズン14開幕「バンギラス解雇〜レヒレ合流」*
この時点での課題は主に3つです
①究極のサイコフィールドアグロ(主にウオノラゴン)への勝率が不安定
②対セキタンザンが常に五分五分の択ゲーになりがち
③レジギガス無理
中でもレジギガスは当時海外で研究が進められていたため「フシギバナグッドスタッフはレジギガスに無力」というイメージを自他共に印象づけることは最も避けるべきことだと考え、レジギガスより足が速くボルトサンダーに打点を持てるテラキオンの採用が決まり、役割が被るバンギラスがここで解雇となりました。
しかし、海外での研究が進まなくなりレジギガスの数が徐々に衰退し、上記の①、②の問題点が浮き彫りになったため、オーロンゲのうそなきと併せて彼らに圧倒的に強く立ち回ることができる玉CSカプ・レヒレの採用が決定しました。
その他、Resuさんの提案でフシギバナの火力不足を補うべくアイテムをじゃくてんほけんに、我々が不満を感じていたサンダー短命問題を解消すべく、サンダーをはねやすめ所持型に変更し、
結果このシーズンを最終14位で終えましたが、まだまだ不満な点が残っていたので、伝説戦シーズンの間も修正を加え続けることにしました。
*PJCS予選終了「ウーラオス兄弟迷走期」*
PJCS予選が終了するまでの間、トレースかいでんぱポリゴン2が無理だということに今更気付いたので、本戦までに対処法を模索することになりました。
具体的に説明すると、これまでのポリゴン2の処理ルートが
①トリックでお香を押しつける
②ねっぷう、ソウルクラッシュあたりでダメージを稼ぐ
③じこさいせいを置くタイミング等でうそなきを重ねて柔らかくする
④バナドランサンダーレヒレのダイマ技での落とし際にお香を取り返し、相手のエースに再度押しつけの態勢を作る
というものでしたが、
「オーロンゲを選出せざるを得ない状況であるにも関わらず、いたずらごころをトレースされた時に立ち回りの回答が無い。」
この処理ルート最大の欠陥が今更発覚してしまったのです。
対処法を模索する段階で、
のループに陥ってしまい、結論が出せないまま本戦5日前を迎えます。
*PJCS本戦「復活のF」*
現段階でラスト1枠に要求される要素を考慮した際、最適解が
であると結論づけ、思いついたのはこの技です。
この頃ようやくトライアタック採用をした弱いポリゴン2が環境から絶滅しかかっていたため、れいとうビーム1ウェポンのポリゴン2をしぜんのいかりを用いてTODで処理することが可能となりました。
そしていよいよJCS本戦、しぜんのいかりカプ・レヒレの活躍もあって9-2、12位で見事ライブ大会出場を決めました!
https://twitter.com/gototapufinivgc/status/1391271962106753030?s=21
〜構築内容〜
*フシギバナ(Venusaur)*
性格(Nature):ひかえめ(Modest)
特性(Ability):しんりょく(Overgrow)
持ち物(Item):おはなのおこう(Rose Incense)
努力値(EVs):H156-×-B36-C180-D20-S116
技(Move):ハードプラント、ヘドロばくだん、だいちのちから、まもる(Frenzy Plant、Sludge Bomb、Earth Power、Protect)
*ヒードラン(Heatran)*
性格(Nature):ひかえめ(Modest)
特性(Ability):もらいび(Flash Fire)
持ち物(Item):シュカのみ(Shuca Berry)
努力値(EVs):H196-×-B12-C172-D4-S124
技(Move):ねっぷう、だいちのちから、ラスターカノン、まもる(Heat Wave、Earth Power、 Flash Cannon、Protect)
*霊獣ランドロス(Landorus-Therian)*
性格(Nature):いじっぱり(Adamant)
特性(Ability):いかく(Intimidate)
持ち物(Item):とつげきチョッキ(Assault Vest)
努力値(EVs):H164-A116-B36-×-D12-S180
技(Move):じしん、そらをとぶ、ストーンエッジ、とんぼがえり(Earthquake、Fly、Stone Edge、U-turn)
*オーロンゲ(Grimmsnarl)*
性格(Nature):しんちょう(Careful)
特性(Ability):いたずらごころ(Prankster)
持ち物(Item):まんぷくおこう(Full Incense)
努力値(EVs):H212-A4-B84-×-D172-S36
技(Move):ソウルクラッシュ、イカサマ、ひかりのかべ、トリック(Spirit Break、Foul Play、Light Screen、Trick)
*サンダー(Zapdos)*
性格(Nature):ひかえめ(Modest)
特性(Ability):せいでんき(Static)
持ち物(Item):するどいくちばし(Sharp Beak)
努力値(EVs):H108-×-B20-C172-D4-S204
技(Move):10まんボルト、ぼうふう、はねやすめ、まもる(Thunderbolt、Hurricane、Roost、Protect)
*カプ・レヒレ(Tapu-Fini)*
性格(Nature):ひかえめ(Modest)
特性(Ability):ミストメイカー(Misty Surge)
持ち物(Item):たべのこし(Leftovers)
努力値(EVs):H108-×-B44-C196-D20-S140
技(Move):ムーンフォース、ねっとう、しぜんのいかり、まもる(Moonblast、Scald、Nature's Madness、Protect)
〜差別化について〜
考察をする上で差別化という作業は非常に重要な役割を担います。今回1月末に風林火山スタンを発表し、シーズン18がスタートをしてからというもの、(自意識過剰かもしれませんが)風林火山スタンのヒードラン→コータス、メタグロスといった並びが度々見受けられますが、彼らは差別化という言葉の意味を120%理解していません。
ではそもそも差別化とは何なのか、今回のヒードランとコータスを例に挙げながら、自論と主観をたっぷり交えて解釈を述べていきます。
その前に、前提として、今回は「(フシギバナ)=(対面性能において優秀なポケモン)」と約束し、フシギバナとの攻撃範囲(苦手な鋼、ブリザポス、フシギバナミラーへの圧力云々を想定)、交代先としてヒードランとコータスを比較する場合を想定します。
まず、あるポケモン同士を差別化をする上で欠かせないのが「判断材料」、つまり長所と短所です。
今回のヒードランとコータスに関して長所と短所を箇条書きにしたものが以下の図です。
☆ヒードラン☆
☆コータス☆
他にも多数存在しますが、その中でお互いの長所と短所をそれぞれ3つずつ提示してみました。両者共に提示している材料の数は同じなので差別化するのは困難です。
ここで、前提として提示した「(フシギバナ)=(対面性能において優秀なポケモン)」という約束を考慮した際に、フシギバナの対面性能を強化する上での耐性、居座り性能、先述したフシギバナが厳しいポケモンへの攻撃・受け補完を考慮した際に強く関連する要素にアンダーラインを引くと以下の通りです。
一目瞭然です。この他の項目を挙げ続けても基本的にヒードランの方が長所を活かしやすいことがわかります。
つまり、ポケモンにおけるポケモンAとポケモンBの「差別化」という行程を紐解いていくと最終的に、
「ポケモンAとポケモンBの長所と短所を書き出し、もともと採用を考えていたポケモンX、及び構築全体の思想、目的と照らし合わせて書き出した材料を整理、比較すること」であるという当然の結論に至るわけです。
余談にはなりますが、ここまで読んでいただけた方なら、バナコーという並びが形成されるまでのプロセスが自ずと見えるかと思います。
今回のヒードランとコータスの差別化との相違点は、始めに設定した約束が「(フシギバナ)=(先制ねむりごなによる行動制限が優秀なポケモン)」だという点です。
この点に沿って情報を整理すると、「フシギバナの特性とのシナジー」という唯一無二の性能を持つコータスが選択されるのは自然であると言えます。
〜最後に〜
残念ながらゴートゥさんのライブ大会の結果は振るいませんでしたが、半年以上もの間煮詰め続けたスタン構築なので、全国ダブルシーズン最後に使っていただけたら幸いです。加えて、残り短いですが、フシギバナがきっちり機能するフシギバナスタンの研究が進むことを切に願っております。
ここまで読んでいただきありがとうございました!