【ヒードラン入り構築の組み方の考察】〜風林火山外伝①〜
とぅふです。
今回は風林火山スタンの外伝シリーズ①として、ヒードラン入り構築の組み方について記事に起こします。「ヒードランを構築に組み込みたいけど上手く機能しない!」という方はぜひ参考にしていただきたいです。
主観に基づく点もかなり多いので「生理的に無理!」と思ったら即ブラウザバックしてください。
〜目次〜
〜1.ヒードランの解釈〜
91-90-106-130-106-77 (計600)
弱点:地 水 闘
耐性:竜 飛 虫 草 氷 無 炎 鋼 超 精
結論から言うと、ヒードランは
「耐性と種族値に裏付けされた高い耐久力を盾に、炎技を複数回連打しコンボ火力を出すポケモンである」
ということです。
正直な話、このご時世において特性等の補正無しC130-全体技威力95は、火力を出すポケモンの中ではかなり弱い部類に入ります。ダイマックスを選択しても威力130(てっていこうせんは論外、オバヒは審議だが今回は使用しないものとする)と標準程度です。
しかし、ヒードランが他のほのおタイプと大きく異なっている点は耐性、種族値に裏付けられた耐久力(居座り性能)です。特にいわタイプ技を等倍に抑えられる点では、世の中のほのおタイプで最もテッカグヤに強く立ち回れるといえます。
つまり、ヒードランは1発の火力に比重を置かずに、有利対面(撃ち得対面)でねっぷうを連打し、アタッカーへの交代を牽制しつつダメージを稼ぐポケモンと解釈できるため、落とすタイミングをこちらがコントロールしやすいオーロンゲの壁ターン消費や、ブリザポスの後投げを許さないままトリックルームターンを稼ぐ動きをする上でその真価を発揮します。
〜2.ヒードランが機能しない理由〜
ヒードランが構築内で上手く機能しない場合の原因は主に3つです。
①ヒードランをメインのアタッカーとして据えている
②浮いているポケモンが2匹以上いない
③サイクルに中間択が存在しない
☆ここでいう中間択とは、主に素の耐久値でサイクルに参加するポケモン(中継地点)を指す。例)クレセリア 、スイクン
①は前パートでも示した通り、ヒードランというポケモンと戦略がマッチしていません。
VGC2013のもりやま噴火スイッチ、天地魔闘スタン、ORASの夕立パに採用されている噴火ヒードラン(アタッカーヒードラン)が強いというのは、あくまで噴火ヒードランが採用できる際の理屈なので、当時のヒードランと現行のヒードランは全く別の生き物と捉えるのが自然です。
②に関してもう少し噛み砕いた表現をすると、
「じしん(ダイアース)を相手に選択させる理由作りをさせてしまっている」
ということです。
例えば、トリックルーム中に以下のような盤面になったとします。
この際、ヒードラン側の構築に浮いているポケモンがランドロスのみの場合、ブリザポス側はヒードラン方向にダイアースを選択するのがこの上ない安定択となってしまい、ヒードラン側がアドバンテージを取るにはランドロスの裏からカプ・レヒレを経由し、ヒードラン裏からランド後投げを狙うという非常に読まれやすい不利サイクルをしなければなりません。
「じしんの撃ち得状態の解消」という意味ではゴリランダーをはじめとするくさタイプでも足りるように見えますが、ダイアースのD上昇を許すと終盤ヒードランが腐りやすいという点を踏まえると、やはり浮いているポケモンを採用することは必須です。これでは、
「ダイアースに弱いからブリザポスにヒードランが弱い!」
という思考に至っても無理はありません。あなたがダイアースを撃たせるのが悪いです。
③については正直個人の価値観に依存してしまうような気はしますが、自分は非常に重要な要素だと考えています。今度は以下のような盤面を想定します(ゴリラは猫消費済み)。
この場合、中間択無しでランドドランサイクルをしようとする構築の場合、ブリザポス視点はゴリランダーから全く圧力を感じないので、必然と冷凍ビーム+ダイアースをヒードラン側に集中するという択が安定択になりやすくなってしまいます。
これを解消するために、浮いているがこおり、でんきを数値で受けられるクレセリアや、数値でダイアース、ばかぢから+れいとうビームを受けられるスイクン、カプ・レヒレあたりは中間択としてよく採用されます。特にこの3体は一貫しやすい水を(クレセリアはにほんばれ込みの)耐性で受けられる点も優秀です。
これが理解できていれば、(今更こんな並べ方滅多にしませんが)VGC2015において以下のような盤面を作ってはいけないという理由がわかるはずです。
(余談ですが、リンヤさんとげべぼさんが浮遊枠1枚+ポリゴン2を採用していたので、参考にして浮遊枠1枚+中間択ポリゴン2で回していましたが、なぜあそこまで結果が残せるのかわからないレベルでドランとの相性は絶望的に悪かったです。お二方との実力差を再認識しました。)
〜3.ヒードランが機能する構築作り〜
ヒードランが構築に採用される流れとしては主に次のような流れです。
*共通*
①…軸に据えたいポケモン
②…①と攻撃補完が取れているヒードラン
③…浮いているポケモン2枚
*構築次第*
④…中間択(主に水タイプ、クレセリア等)
⑤…かくとうタイプ
①、②に関しては、主に2013年の構築に当てはまらない場合がありますが、少なくともVGC2015〜2021の構築には当てはまる流れです。
①は具体的に、ガルーラ、サーナイト、サンダー、フシギバナあたりが該当します。
③、④は先程述べた通りです。強いて言えば、ヒードランとの攻撃補完を意識して③には浮いてるでんきタイプが選択される場合が多いということです。
このポケモン達はそれぞれはがね、じめんタイプでありながらいわタイプ技の一貫を作ってしまう(いわなだれの負け筋を増やしてしまう)という性質があり、さらにそれぞれのタイプの別ポケモンを採用すると、折角一貫を切ったタイプの技の一貫を自ら作り出してしまうというジレンマが古来より存在するため、消去法でかくとうタイプが採用される場合があります。
ここで、過去に存在した構築と上の要素を照らし合わせると、結果を出した構築がどれほど理にかなった組まれ方をしているかが見えやすいと思います。
*2012*
・Wolfeパ
*2013*
・ドラン噴火スイッチ関連
<R ver.(初期型)>
<もりやま ver.(もりやま噴火スイッチ)>
<ビエラ ver.(honasho噴火スイッチ)>
<psk ver.>
<げべぼ ver.(天地魔闘スタン)>
・レモネードパ
・Arashパ
*2015*
・chalkと愉快な仲間達
・とにーパ
・scarサナバレル
・Lajosパ
・夕立パ
*2018*
・びちょゴリラグッドスタッフ(世界大会時リザ→コケコ)
*2021*
・じーんパ
・セバスチャンパ
・風林火山スタン
〜4.最後に〜
ここまで読んでいただきありがとうございました。浮いてるポケモンが1人もいないようなヒードラン入り構築が今後減ることを切に願ってます。